橋梁設計 ― 設計基準と詳細設計プロセス
この記事では、日本最長の歩行者専用つり橋の建設にあたり、その設計基準となった独自性、アクセシビリティ、技術的な複雑性、魅力について、またその詳細な設計プロセスについて紹介します。
設計基準:
1.「独自性」
・世界的に際立つ橋を設計する
・日本と大阪が誇るランドマークを作り出す
2.「ユニバーサルアクセス」
・車椅子でアクセス可能な橋を保証する
・車椅子同士が快適にすれ違うのに十分な幅で設計する
・橋の両端からアクセス可能な入口を提供する
3.「美的及び技術的複雑性」
・技術的に高度且つ複雑で魅力的なデザインを開発する
・特にダムから見て、視覚的に目を惹き、写真映えする橋にする
・独自性があり、再現が困難な橋を確立する
4.「訪問者への魅力」
・国内外から訪問者を魅了する橋を建設する
・楽しさと興味をそそり、視覚的にも魅力的で、興奮する体験を提供する
・子供からお年寄りまで、幅広い年齢層に対応する設計をする
5.「動きと興奮」
・橋は揺れ動きからの振動ではなく、循環運動からの僅かな揺れとなるように設計する
・橋の高さと動きによって、一般の約1割に興奮と、多少の恐怖感を味わう体験を保証する
・橋のどの時点からでも歩行者が見えるように設計する
・橋の上の人々に360度の視界を確保する
6.「構造上の強度」
・台風や地震に対する耐久性の高い橋を保証する
詳細な設計プロセス:
1.「コンセプト・デザイン」
・「ブレインストーミング」:ヨーロッパ最長の橋の設計に携わったエンジニア達と話し合い、建築家、エンジニア、デザイナーから成るチームを組んで、設計基準に合う初期のアイデアをブレインストーミングから出し合う
・「スケッチとモデリング」:橋の形状を視覚化するために、スケッチや3Dコンピューターモデルや模型を開発し、景観、アクセスのしやすさ、また構造要件について考慮する
・「実現可能性調査」:提案された設計の実現可能性を評価するために、技術面と財務面の両方に焦点を当てて予備分析を実施する
2.「エンジニアリング及び技術分析」
・「構造解析」:高度なシミュレーションソフトウェアを使用して、歩行者の交通量、風、地震活動などの負荷に対する橋の反応をモデル化する
・風と台風に関する過去の気象データと分析に基づいて、千年以上の期間、橋を吹き抜ける風の最大限の可能性についてシミュレーションするために、モンテカルロ・モデルを構築する
・「材料選定」:必要な強度と耐久性を提供しつつ、橋の視覚的魅力を高める材料を選定する
・「アクセシビリティ機能」:ユニバーサルデザインの原則を取り入れ、車椅子アクセスのための照明や通路をシームレスに統合する
3.「詳細設計と仕様」
・「寸法決定」:橋の寸法を最終決定し、車椅子同士がすれ違える幅と、両端からアクセス可能な入口を確保する
・「動きの設計」:スリルと興奮を味わえるよう、制御された循環運動を作り出す橋の吊架システムを設計する
・「可視性の考慮」:安全面と景観の観点から、橋の全長と両端からの可視性を確保する
4.景観への配慮と写真映えする要素
・「視覚的魅力」:ダムやその周辺地域から見て、橋が写真映えし、視覚に訴えるデザイン要素を統合する
・「照明と仕上げ」:昼夜問わず、橋の外観を惹き立てる照明構想と仕上げを選定する
5.「安全性と耐久性」
・「耐震設計」:橋に高い耐震構造をもたらす高度な工学技術を取り入れる
・「風抵抗」:台風下でも安定感と安全性を損ねない、空気力学的特徴と頑丈な固着構造を組み込む
6.「コミュニティ及び利害関係者の関与」
・「公開協議」:地元コミュニティ、土地所有者及び利害関係者と協力してフィードバックを収集し、進捗状況や設計に関する特性を周知する
・「規制機関の承認」:規制機関と協力して必要な承認を取得し、全ての安全及び建設基準に準拠する
7.「建設計画」
・「プロジェクト管理」:タイムライン、予算、及び資源配分を含む詳細なプロジェクト計画を策定する
・「建設技術」:正確性、安全性、効率性を確保する建設方法を選定する
この詳細な設計手順に従うことで、この日本最長の歩行者専用吊り橋が、期待に沿うだけでなくそれを上回るかたちで、安全性、興奮、ユニバーサルアクセスを提供するランドマークとなることを確信しています。
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Gravitate Osaka
「GRAVITATE OSAKA」は、大阪府茨木市にある安威川ダムの周辺基本整備の一環として建設される日本最長つり橋を有する日本最高峰のアクティビティーパークです。
2025年にオープン予定の施設で、特に「ダムパークいばきた」内に設置される日本最長のつり橋が注目を集めています。
また、オープンが大阪万博の時期(2025年)に近いため、最先端のデザイン、技術を茨木から世界中に発信する予定です。